認定NPO法人「やまぼうし」視察報告

2017年9月5日 21時58分 | カテゴリー: トピックス

 8月29日、ネットの福祉部会では「障がいのある人の地域での多様な暮らしの場と働く場づくり事業」をすすめる日野市の「認定NPO法人やまぼうし」を視察しました。

 視察のきっかけは、部会メンバーの一人の「障がいを持つ娘の住まいについて、親として考え始めているのだが・・・」という発言から、住まいだけではなく、働くことや日常生活の過ごし方なども考えては、と今回の視察を行うことにしました。

 やまぼうしの沿革をみると、「1970年知的障害者入所施設卒業生へのインフォーマル生活支援活動開始」「1985年まちの八百屋『おちかわや』(自主事業)開始」とあり、全く福祉制度のなかった時代からの模索だったことが分かります。その後、このような実践があったからこそ、東京都の作業所制度やさらに障害者総合支援法へと制度化されたのだと思いました。現在のやまぼうしは、ヘルパーステーションや支援センター、グループホーム、就労移行支援、就労継続A型・B型、生活介護、そこに独自事業も併設する、という幅広い事業が展開されています。

 視察は豊田駅南口にある①就労移行支援事業所かふぇ畑「れんげ」のランチをいただきながら、理事長の伊藤勲さんに「やまぼうし」の全体概要を伺いましたが、ランチメニューのおいしさに気をうばわれ、話はあまり頭に入らず、とにかく現場をみましょう、ということで日野や八王子の事業所を案内していただきました。

②グループホーム げん:れんげの上階にある4室の重度指定のグループホーム。各部屋21㎡と広く、ミニキッチンやシャワーあり。共有部分の浴室設備を充実させているのは、人的介護に依存しないようにすること。それによって、介護に入る人の幅が広がる、と説明がありました。この考え方は他の事業所でも見られました。

③就労継続A&B多機能型事業所「ディーセントワーク平山台」&「やまぼうし平山台」:案内されたのは統廃合により廃校となった平山台小。現在は日野市の健康・市民支援センターとして市民による自主運営で地域活動の拠点となっている。そこの給食室を使って、カフェと配食弁当作りをしている。役目を終えた給食室が地域の配食(280食/日)の拠点となり、それを障がいのある方が担っている、というのに「目からうろこ」でした。

④ユギムラ牧場:八王子の一角にある農場で「生活介護事業所くらさわ」の皆さんが農作業中。作業の内容をそれぞれに説明してくれました。ここの農産物が①のカフェで使われることもあるそうです。

⑤首都大学東京のエーコンカフェ:現在、3か所の大学カフェを受託運営しており、その1つ。③の従たる事業所と位置づいていて、洗練されたおしゃれなカフェでした。

⑥生活介護事業所くらさわ:さきほど④で会った皆さんが、ちょうど帰りの時間でした。現在27名の登録者がおり、毎日、畑や配送、これから行く「おちかわや」、「風の丘」などの仕事を分担。仕事があることが大事とのこと。

⑦スローワールドおちかわや:やまぼうしの原点のような八百屋さん。無農薬の野菜に私たちの手も伸びました。地域に必要とされる八百屋だと感じました。

⑧日野市障害者生活・就労支援センター「くらしごと」:再開発されたビルの一角。

⑨JR豊田駅前のアンテナショップ「クプリ」駅の改札脇という立地にある小さなセレクトショップの運営を受託。多摩地域で作られた工芸品や無農薬野菜が並んでいました。

 

 限られた時間の中で、日野市内を走りましたが、それは市内に障がいのある方の暮らしを支える機能が点在していることだということでもあります。それが、まちの景色や空気をつくり、変えてきたのだと感じました。
 伊藤さんは困ったのあるところに、仕事が生まれる、と話していましたが、毎年のように新たな事業展開があり、またその機能や位置づけも状況に応じて変化させている柔軟さに驚きました。

 豊田駅南口のかふぇ「れんげ」、とてもおいしかったです。機会があったら行ってみてください。以前はその辺はれんげ畑が広がっていたのだそうです。