生活者ネットワーク視察(横須賀市、野洲市、近江八幡市)
府中・生活者ネットワークの奥村さち子と会員5名が、近年自治体ですすむAI導入について先駆的にすすめている横須賀市、多様な市民の相談を重層的支援体制で取り組んでいる野洲市、不登校の子どもたちにきめ細かな支援をすすめる近江八幡市の3市を訪問し、各市の特徴ある施策についてお話を伺いました(2023.7.20~21)。
■横須賀市の、市民サービスの充実を第一に考えたAI相談支援
「AI相談パートナー」とは、相談者と職員がマイクを通して話す会話を、AIが音声認識し、相談内容を記録して文書化するためのツールです。「福祉の相談」そのものは、人が担当しています。
事務作業が軽減されることで職員は市民と向き合う時間を増やせるなど、市民にとって利益となるようデジタルツールの活用をすすめていくということでした。
■野洲市の、一人ひとりの困りごとを総合的に支援する市民相談窓口の取り組み
市民の悩みごとの総合関係を把握し、家計の収支の改善や子どもの学習支援、就労支援などを、一体的に支援をするしくみがありました。
税金の滞納などがあればそれを市民のSOSと捉え、「野洲市くらし支えあい条例」により職員は市民の悩みごとの発見に努め、「野洲市債権管理条例」では、市民生活を壊してまで債権の回収はしないことを定めて、効果的な支援につなげています。
■近江八幡市の、子ども若者を切れ目なく支える地域連携と教育支援体制
近江八幡市では、不登校の子どもたちが誰でも参加できる「にこまるルーム」や、子どもたちのところに出向いていく「にこまる訪問」があります。また、不登校の相談には、教育相談員、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーによる相談体制のほかに、臨床心理士などによる専門的な面からの相談もあり、子どもたちの状況に合わせた適切な支援がすすめられています。
琵琶湖にある沖島の小学校は、近隣市の子どもの通学も受け入れています。良好な環境と、少人数ならではの、自他を大切にできる学校という印象を受けました。自然が豊かな沖島を、ぜひ一度訪れてみたいと思いました。