環境講演会「香りの害を考える」

最近「香害」という言葉を耳にします。
「よい香り」入り製品は洗剤、防虫剤、殺虫剤、消臭スプレーと数多く、他人からのニオイで息詰まる思いをしたことはあるし、生協などは「無添加」商品を推奨しているので、きっと身体に影響があるのだろう…くらいの知識はありましたが、詳しく考えるきっかけにしなくては!と企画した「香りの害を考える~よい香り商品に潜む危険性を解き明かす」
講師は電磁波や放射能についての学習会でもお呼びした上田昌文さん(NPO市民科学研究室代表)です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やはり電磁波などと同じように、多くの人への長期の疫学研究が尽くされないまま規制もありません。
市販製品の「香り」成分は、ほとんどが石油化学由来の「人工化学物質」であり、がんや成人病、化学物質過敏症、子どものアレルギーの増加の原因として、身体全体の「常在菌」などとのバランスを壊す一因であると推定されます。
しかし経口摂取する食品添加物の香料と違い、製品には物質名すら書かなくてよいのが実情です。

 

 

 

 

 

確かに手元の「抗菌・消臭スプレー F~」の成分の書き方は「除菌成分(有機系)」と「香料」のみですが、物質はかなり「毒」でした。

これらが床に落ちた上を赤ちゃんがハイハイして吸引することで、将来どのような影響をもたらすか…と考えると、それはとても深刻なことです。「良さそう」とイメージに乗って使い続けることの怖さ、知ることの大切さを実感します。
合成洗剤に含まれる柔軟剤の「よい香り」「柔らかさ」は衣服に残留して生じるもので、皮膚と接触し続けています。そのため、抗菌剤と同じく、免疫力を低下させ、過敏症やアレルギー、ぜんそくの発症や、より悪化するメカニズムがよく理解できました。

 

 

 

 

 

ではどうすればよいのか。なくすことはできるのか。

おそらくほとんどの「人工化学物質」は、利便性さえ犠牲にすれば、なくしても暮らしていけるだろうと上田さんは言います。
しかし約半数の人たちが「香入り柔軟剤入り洗剤」を選んでしまう現状を変えられるだろうかと、問いかけます。環境のこと、子どもたちの将来のこと、化学物質過敏症で暮らしが困難な人について思いを至らせること…そのことを生活の中で一人ひとりが考えるべきことです。プラスチックなどと同じように。

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