車いすで街をウォッチングしました。
●府中・生活者ネットワークの地域活動●
車いすで街をウォッチング。移動のしやすさや安全性を検証
お天気に恵まれた桃の節句、武蔵野台の駅前に6名の仲間が集まり、1台の車いすを市の高齢者施設から借りて駅周辺を移動してみました。
コースは駅から南へ商店街を下り、車返団地のスーパーと郵便局を回って折り返し、踏切を渡ってみて、最後は駅前のケーキ屋さんジェノワーズで意見交換をしました。狭い歩道を占拠してしまう車いすに対して、歩行者の方は、ささっと、車道に移動してくださり、実にありがたいのですが、できればすれ違えるくらいの歩道の幅がほしいものです。駅前を過ぎると団地まで急な坂道が続きます。これはブレーキをかけながらではないと危険です。1人で坂道を下るのは初心者には勇気がいりますので、押してもらいました。ただ、上半身が前かがみになりがちなので、人によってはベルトをしめなければならないのでしょう。
以下が、今回の車いすウォッチングで気が付いた点です。
①一見平坦に見える歩道も、実は僅かながら傾斜していることが、乗ってみて初めてわかる。見慣れた近所の道でも、「歩く」と「乗る」とは大違いだと実感できる。
②車返団地内の郵便局は、さすが入口はスロープつき!しかしながら、狭いロビーを移動するのは1人では少々難儀。局内のATMは、振り込み用紙を機械に入れるには、少々高すぎることがわかる。
③自動販売機のボタンは、一番上段の飲み物の列には、残念ながら手が届かないが、自分で硬貨を入れて、買うことができるので達成感がある。
④何よりも団地内の商店街は、車が入ってこないことで、移動中の緊張感がやわらぐ。
⑤団地内のスーパーは通路の幅が広々とし、レジとレジとの間もゆとりがあり移動しやすい。こういう環境だと車いすで買い物をするのが、日常生活の一部として、周囲にしっくりとなじむようだ。
⑥坂道を車いすで上って行く途中、母親に連れられた幼児がむかってくる。ちょうど子どもの目の高さなので、すれ違いざまに自然にお互い挨拶ができてちょっと楽しい。
⑦踏切で線路を渡るときはドキドキ!自力で渡ろうとしたら、前輪が小さいので溝にはまってしまう。遮断機がおりてきたら、と一瞬焦ってしまう。昨年行なった東府中駅周辺でも踏切を渡るのは、危険が伴うことがわかり、ベビーカーや高齢者用のカートの車輪などでも同じような課題がある。
★「線路では、必ず、直角に移動し、できれば前輪を上げるとよい」、と車いすに詳しいメンバーから、貴重なアドバイス。前輪を上げるのは介助者がいないとできません。
踏み切りでは他にも「幼児の足が挟まった」「自転車のタイヤが挟まって転んだ」などの経験者は多い。駅のバリアフリー化は進んできたが、踏切についても危険をなくすアイデアはないものかと感じた。
最後に駅前のおしゃれなケーキ屋さんで一服しようとするが、店の前の大きな段差に一瞬戸惑う。前輪が段差まで届かないため、よっこらしょと車いすを持ちあげる。この場合は介助者が2人いないと大変。
さて、店内ですが、ぎりぎり車イスが移動でき、くつろげる空間で、ほっと一息できました。
今回の車いすウォッチングで、わかったことの一つに、ブレーキの使い方があります。車いすの乗り降りの際や止まっている時には必ずブレーキをかけることが必要です。また、車いすのたたみ方も合理的なやり方があることも、経験豊富なメンバーに披露してもらい、勉強になりました。
これからも地域で車いすを使って町のバリアフリーの様子を検証する活動を継続して行おうと思っています。参加したい方、ご意見のある方はご連絡お待ちしています。