さらに一歩踏み込んだ「おせっかい」を、地域のなかで!

2015年10月17日栗林さん講座参加報告
さらに一歩踏み込んだ「おせっかい」を、地域のなかで!

10月17日、「子どもの貧困と地域での支援を考える~おせっかいが地域を変える~」栗林千絵子さん講演会(女性センター登録団体「府中ネット」主催)参加報告 (女性部会 前田弘子)

「NPO法人 豊島子どもWAKUWAKUネットワーク」理事長の栗林千絵子さんは、午前中は港区田町で開かれた「反貧困全国集会分科会」の進行役をつとめた後、駆けつけてくださいました。さまざまなところでの講演会にお忙しいのも、ひとり親家庭の貧困が先進国の中でも深刻な状況で、子どもの貧困率も6人にひとりという結果を国が認めるようになり、ようやく社会の中で問題意識が高まってきたからだと言えるでしょう。でも、何をきっかけに取り組めばよいのか?と、お話を聞きました。
 

11年前から池袋のプレーパーク活動に参加する中で、子どもが発する「きのうもお父さんが暴れてパトカーが来た」などのちょっとした言葉にショックを受けたりしてきたこと。4年前に知り合いの中3の男の子が「公立の高校に入れないかもしれない」というつぶやきを聞いて、勉強を教えてあげる!と家に呼び、ごはんも一緒に食べ、東京都の塾代サポート資金の保証人になったことで、地域の知り合いにカンパを呼び掛けたことが、今のNPOの土台になったこと…。

 子どもの声に耳を傾けたら、親の貧困にまつわるさまざまな問題が潜んでいることを察知し、その責任を負わせられてしまっている子どもたちが、そのことで将来の選択を狭めないようにするにはどうしたらよいかを地域に呼びかけて一緒に取り組んできたことを、さまざまな事例で紹介されました。
 そして「おせっかい」で救われた子どもたちがいま、また地域の活動で「おせっかえる」をしていました。そんな様子をDVDや写真で見ながら、「行政や教育がもうすこし踏み込んでくれたら。でもそれを言ってたらいつまでも解決しないので、地域で私たちがやるしかないですよ!」という言葉には、何とかできる!という、突き抜けた楽天的な人柄が、驚くほど表れていました。


 
 いまWAKUWSKUネットワークは、無料学習支援や外国籍の子供たちの日本語教室、シングルマザーの居場所、今話題の「子ども食堂」、お寺で始めた夜の児童館など、どんな状況の人も排除しない、という信念で支援の輪を広めてきています。区のプレーパーク事業も受託できました。


深刻な家庭ほど、相談することもなく抱え込んでい状況があるそうです。そんな人たちにアンテナを張り、「相談に来て」と「しつっこく」こだわらなくていけないのです、と訴えられました。深刻な現実ですが、地域で自分たちで取り組まなくては何も変わらないこと、そして上から目線でなく「一緒にやろうよ!」というひと声が、地域で共感の輪が広がるために大事なことだと強く思いました。