7月11日「憲法カフェIN府中」の報告

「あすわか」の上田裕弁護士から、日本国憲法と『集団的自衛権』の問題について、根本的かつ分かりやすいお話を伺いました!

 いま、国会では安保法案(=戦争法案)が審議中ですが、安倍政権は、憲法学者が違憲法案だと指弾しようが、反対の声が高まろうが、きちんと疑問に対し説明を尽くさず採決を強行しようとしています。では何が問題で、安倍政権が説明できないところはどんなことかなどを緊急に「あすわか」さんからお話を聞こうとご相談しましたら、浦和の「つきのみや法律事務所」の上田裕弁護士さんがいらしてくれました。(*「あすわか」こと「明日の自由を守る若手弁護士の会」とはどんな団体かについては、この文章の最後に、ホームページから引用しご紹介します)

 まず、「憲法とは何か」についての説明から始まりました。「国民が国家を縛るもの」であることについて、あすわか作成の「暴君から身を護り、自由と権利を獲得するために民衆が闘いとった」物語にした紙芝居上演から始まりました。
 
 そして本題に入ります。
 日本国憲法については、重要な条文は「基本的人権の尊重」(13条)であると言います。個人の尊重が謳われており、敗戦に至った歴史を二度と繰り返さないという反省から、諸外国に比べても細かく人権条項が並べられていることの説明がありました。欧米では「あたりまえ」だから書いてないそうです! しかも「公共の福祉」のために個人ががまんしろと言っているのでもないのだそうです。自民党は13条を目の敵にし、「個人」よりも家庭や秩序を優先するように憲法を変えたいと表明していますが、とんでもない時代錯誤だと言えます。
 

そして、集団的自衛権の行使と憲法9条について。
これはもう、今の憲法解釈では想定していないし、ありえないのだそうです! 集団的自衛権を行使したければ、9条の改憲なくてはできないのに、それを行なおうとしている憲法解釈上の問題は、上田先生たちも自民党に説明を求めてきたけれど、答えないのだそうです。
そもそも安倍政権の言う「集団的自衛権の行使容認についての必要性」は説明になっているか、について。
ここが一番のポイントでしょう。その説明はとてもわかりやすく説得力がありました。安倍のお抱え「有識者」たちが「憲法9条の解釈を変更し、集団的自衛権を『限定的に』行使するために6つの限定をつけました。しかし、そのどれもがなんの限定にもなっていないことを立証してくれました。さらに、安倍は日本人の避難者を日本に輸送できなくてよいのか、と絵をかいて説明しましたが、これは空想であり、ありえない想定だそうです。米軍のマニュアルでは事実上日本の民間人の輸送は想定していないと。「中国脅威論」についても、アメリカが動くのかは疑問であるし、もしそうなれば「個別的自衛権」であるので、騙されてはいけませんね。
 ほかにもたくさんの法の解釈を説明してくださり、法律の専門家である弁護士さんたちが「問題あり」と論証できる法案であることが実感できました。

 「憲法違反の法律は無効」と憲法に書いてあるそうです! 無効なのです。弁護士さんにとっては、特定秘密保護法と一緒に運用されたら自分たちも逮捕される…という近未来で起こりうる危機感も話されました。

 子育て中の若い世代の方に広めたいという思いで活動を始めた「カフェ」だそうですが、内容は盛りだくさんでした。すべてを理解するのは無理…でしたが、私たちは「戦争法案反対!」と行動しなくては大変なことになると実感しました。
 あちこちで開催されることで、問題が共有され、法案や、これから進められるであろう改憲に反対する力になると思います。

わたし達あすわかは、全国250名超の若手弁護士で構成されています。
この中には、みなさんと同じ子育て中のママやパパがいます!
そこで、あすわかから提案があります!

 子どもの食べ物の添加物を気にしたり、
同級生からいじめられていないか気にしたり、
通学路が危険じゃないか気にしたり、
きちんと勉強についていけてるか気にしたり、などなどなど
親として気にすることは山ほどあるけれど、
子どもの未来を思うなら、
憲法のことを同じように気にしてみませんか!?
憲法について、もう少し詳しく知りたい、
簡単な言葉で説明して欲しい、
報道されない部分のことも知りたい、
気になっていたことを弁護士に直接尋ねてみたい、
そんなご要望に応えるべく、学習会のご依頼はいつでも大歓迎です。

~明日の自由を守る若手弁護士の会 HPより~